奇跡の人、ヘレン・ケラー (Helen Keller 1880-1968)の生家を訪ねました。

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目が見えず、耳も聞こえない二つの障害を持ちながら教育を受け、世界40カ国を旅して障害者の教育と福祉の発展に尽力した人は、私が現在住んでいるテネシー州メンフィス郊外から車で2時間半ほどのアラバマ州タスカンビア(Tuscumbia, Alabama)という小さな街で生まれました。現在人口が8,500人ほどの街です。
お母さんのケイトはメンフィス出身だそうです。

アイヴィ・グリーン(Ivy Greenー日本語で緑のツタという意味)と名付けられた家は、雨が降っていたこともあって緑がとてもあざやか。
広い庭のある白い家でした。

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音と光のない世界にいる幼いヘレンには言葉が届かず、手が付けられない子どもになって家族を困らせていました。そこへ若き家庭教師、アン・サリバンがやってきて、ヘレンの手につめたい水をかけながら、片方の手に「WATERー水」と書いて、すべての物に名前があることを教えたことは有名な話しです。

その奇跡の瞬間があったのはこの井戸端。
ケラー家の裏庭にあります。


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壁にヘレンと家族の写真が飾ってありました。
家の中も当時と同じようにしつらえてあり、当時の息づかいが感じられるような家でした。

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これがケラー家のダイニングルーム。どんな食事をしたのでしょう?

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居間の片すみにオルガンがおいてありました。音楽を楽しむ一家だったようです。




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こちらが、台所。
当時の南部では火を使うので台所は外にあるのが普通でした。

ヘレンはサリバン先生の助けを受けて学問を極め、大学もボストンで卒業し、生涯アメリカ東海岸で暮らしたのでこの家で過ごした8歳までの幼少期です。

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これがヘレン直筆の手紙。
パーティへの招待状です。目が見えない人が書いたとはとても思えない整った文字と文章です。

目が見えず、音が聞こえない世界の人がここまでするのはどんなにか大変だったことだろうと思います。サリバン先生と2人で人並みならぬ努力をしたことが伺えます。



 

















そして、ヘレンは、3度日本を訪れ、各地で講演しました。家の中に写真や各国に出かけてもらってきた贈り物が飾ってありました。

日本では、忠犬ハチ公のことを聞いて感動し、秋田犬を所望。神風号と剣山号という2匹の秋田犬をアメリカに連れて帰りました。

これがアメリカに渡ったはじめての秋田犬といわれています。
今、アメリカでは、秋田といえば犬。ファンも多く、各地に秋田犬愛好家クラブがあります。

私の故郷は秋田県。
ヘレン・ケラーは、1937年に秋田を訪れています。
当時の記事をネットでみつけることができました。
こちらをクリックしてご覧ください。

アラバマで、ヘレン・ケラーのおかげで、故郷がちょっぴりなつかしくなりました。
案外と世界は狭いものなのを感じました。