Perla di Yukiko by ユークルチェ Joekeltje

ジュエリーデザイナー由紀子のテネシーから世界へ日記

メンフィス

Alex Haley, クンタ・キンテのルーツを訪ねて

1977年に世界を沸かせたアレックス・ヘイリー作、『ルーツ』。
日本でもアメリカでものすごい人気を得たテレビドラマが同じ年に放送されて日本中が主人公のクンタ・キンテに釘付けになりました。私も毎週ワクワク見たことを思い出します。
英語の分厚い小説も父に買ってもらって胸をときめかせながらページをめくりました。

そのアレックス・ヘイリーが少年時代に住んだ家がテネシー州メンフィス郊外にあると聞きでかけました。
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メンフィスから車で北へ一時間ほど広大な農地を通り抜けて運転していくとテネシー州ヘニングという小さな街にたどりつきます。ヘニングのその家は1918-1919年にヘイリーのおじいさんがたてた家。一旦他の人の手に渡ったもののヘイリーがあとから買い戻しました。おじいさんは材木関係の仕事をして大変成功していたらしく、近隣の家に比べてとても立派なしっかりしたつくりの家でした。

幼少期をここで過ごし、お父さんの仕事でニューヨーク州に引っ越しても夏休みには訪ねておばあさんやおばさんたちの昔話を聞きながら育ったそうです。

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家の前のポーチ。

テネシーの夏はとても暑く長いので昔は家の前のポーチに椅子を持ち出しておばあさんやおばさんたちがアレックス少年によく昔話をしたのだそうです。先祖のクンタ・キンテが、アフリカのガンビアで太鼓をつくろうと、森に使う木をさがしいったらつかまって奴隷になり、ナポリス(後にメリーランド州のアナポリスと判明)に連れられて来たと言う話なども聞いたのだとか。

壮大な物語はここから出発したのです。

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後に孫が有名になってここが博物館になるとはだれも考えていなかったので家が他の人手に渡ったとき、家にあった家財はこのピアノをのぞいて全部なくなってしまいました。

ヘイリーのお母さんは音大で音楽を学んだ人です。結婚してからは大学教授の夫の転勤や子育てで音楽の道に進むことがありませんでしたが、この家でこのピアノを弾いていたそうです。この家を手放すときにピアノは近くの教会に寄付されました。そして家がアーサー・ヘイリー記念館になったときにもとの場所に戻って来たのだそうです。

館内の写真撮影は本当は禁止されているのですが私の息子たちがジャズミュージシャンという話しをしたら特別に許可をもらって撮影させてもらいました。

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子ども時代をここで過ごしたヘイリーは、大変ここが気に入っていたそうで、お墓は家の前の庭につくるよう希望しました。現在、アレックス・ヘイリーは日のあたる、緑色の芝生に囲まれた庭の角に眠っています。

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家のうしろの小径をわたると展示物がおいてある博物館が併設されています。

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これが博物館の中です。
博物館の中に入るとまずは教会のようにつくられたビデオルームがあり、15分のビデオをみることができます。テレビ番組『ルーツ』 を作った人たちが当時を語り、ヘイリーの息子ウィリアムや、クンタ・キンテを演じた俳優のコメントなどいろいろな角度から『ルーツ』について知る事ができます。

また展示室にはヘイリーのすわったいす、バイオリン、眼鏡などの所持品、奴隷制度の解説、ヘイリーの経歴などについて展示されています。30カ国語以上に翻訳されて世界中に大きな反響を与えた『ルーツ』という作品のインパクトがいかに大きかったのかを改めて知る事ができました。

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右が館長さんのビバリー・ジョンソンさん、左がビバリーさんのお母さんのマグノリア・マリーさんです。ヘイリーとは遠縁にあたる親戚だそうです。彼女たちもクンタ・キンテの末裔です。

ビバリーさんが直々に記念館を案内して丁寧に説明してくれました。

メンフィスに住んで3年がたち、人種差別という重たい問題を肌に感じることもありましたが、こういう記念館で、逆境に負けず強く生きて来た人たちのことの存在を確認できるとても良い体験でした。

メンフィスに来たらお立ち寄りおススメのすてきなスポットです。壮大な時の流れとたくさんの人々の思いがこもる感動を経験できる場所でした。

アレックス・ヘイリー記念館
住所  200 S Church St, Henning, TN 38041
Tel. (731) 738-2240 · 

  • Alex Haley House and Museum is a Tennessee state-owned historic house in Henning, Tennessee. It was originally known as W. E. Palmer House and was the boyhood home of author Alex Haley. He was buried on the grounds. The home was listed on the National …
  • en.wikipedia.org
  • Address: Off U.S. 51, Henning, TN · Directions
  • Opened: 1918



 

Opera Memphisに出演してきました

オペラメンフィスのイベントで歌ってきました。

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メンフィスにはオペラメンフィスというオペラカンパニーがあります。メンフィス市の閑静な住宅街に立派なオペラセンターがあり、世界の錚々たるオペラ歌手を招いて年4回の公演が行われます。州立メンフィス大学の音楽部声楽科とも提携しています。

デザイナー由紀子は時々シンガー由紀子になりますが、今回は、オペラメンフィスによるオペラ啓蒙コミュニティーイベントの合唱団の一員に加えてもらいました。


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オペラメンフィスは、9月をオペラ月間として30日間毎日街のどこかでオペラが聞こえるというイベントをしています。その一つにメンフィスのオーバートン公園にあるレビットシェル野外音楽堂でコンサートがありました。

レビットシェルは、メンフィスの由緒ある野外音楽堂、夏の間は毎週コンサートがあり、グラミー賞受賞者など世界的に有名なアーティストもたくさん出演して約50回のコンサートがあります。
そして、なんと、すべてのコンサートが無料です。

メンフィスは、19世紀から20世紀にかけて世界の綿花取引の中心地としてとても栄えた街。
今は綿花取引もなくなり、だいぶ寂しくなりましたが、かつての栄華が残してくれた財団がいくつかあってメンフィスでの文化活動が支えられています。世界的なアーティストが多く訪れ、市民は無料または格安の料金で世界的レベルの本物の芸術を楽しむことができます。

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こちらは、コンサートのフィナーレです。
私たち合唱団は、プッチーニのオペラ、ツバメから「あなたの爽やかな微笑みに乾杯」、ヴェルディのオペラ、イルトロバトーレから「鍛冶屋の合唱」、そしてフィナーレにはクイーンのボヘミアンラプソディーを歌いました。

子供たちも多いコンサートのせいか、突然、ピカチューとゴジラも登場。
ピカチューがなぜかオレンジ色でしたが、一緒にボヘミアンラプソディーを歌って(?)踊りました。

由緒あるレビットシェルでプロのオペラ歌手たちと一緒に歌えるとてもすてきな体験でした。







 

折り鶴ピアス第2弾

折り鶴ピアスが人気です。

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日本人の少ないメンフィス地区(領事館に登録している人で200人弱)で
日本のイベントをお手伝いする時などに販売できるものをということから作りはじめた折り鶴ピアス。

一度このブログでもご紹介しましたが、反響が多くてびっくりしています。
ものづくりが好きでデザイナー由紀子になりましたので、
鶴もつくっているうちに写真の様にどんどん凝ったものになっています。

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作っているうちに試行錯誤がたくさんあり、
結局日本の和紙が一番きれいな鶴に仕上がることがわかりました。
和紙をちょうど良い大きさにカットすることからはじめ、
一羽ずつ折り鶴を折り、ピアスに仕上げます。
最初は鶴だけだったものが今ではこのように3段重ねのビーズつきになりました。
紙もいろいろな色、模様を使い、つける人たちが楽しめるように工夫しました。
無地や無地に近い紙にはアクリル絵の具で彩色もします。

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これは新作のループ型のパーツにとりつけた折り鶴ピアス。
耳元につけるとゆらゆらゆれてとても優雅。

パールジュエリー作成の合間にできることとしてはじまりましたが、
現在は、由緒あるメンフィスブルックス美術館のギフトショップで販売中。おかげさまで人気アイテムになり、定期的に新作を販売しています。

12月8日にはブルックス美術館のクリスマスイベントにも参加します。
メンフィスのクリスマスには欠かせないイベントに今から参加要請が来るのは大変めずらしいことです。ジュエリー関係は競争が激しくて出店出来ない人がほとんどなのだとか。

そして、メンフィスボタニックガーデンでも販売が開始されることになりました。

広大な敷地をもつ美しいガーデンには、日本庭園もあり、日本から寄贈された桜の木も植えられています。このピアスたちが日本とアメリカの架け橋となってくれるかもしれません。

そして、たくさんの願いをこめた折り鶴ピアスたちが皆さんにしあわせを運んでくれますように!

Memphis Brooks Museum of Art

1934 Poplar Avenue  |  Memphis, TN 38104 
P. 901.544.6200  |  F. 901.725.4071

Directions to the Memphis Brooks Museum of Art


Memphis Botanic Garden

750 Cherry Road | Memphis, TN 38117 |
MAP IT


エルビスウィーク@スタックス

メンフィスの8月は世界中から集るエルビスファンでにぎわうエルビスウィークがあります。
メンフィスに住んで3年目になりましたが、一度もエルビスウィークのイベントになかったのですが、今年は、いつも親子でお世話になっているスタックスでイベントがあったのではじめて出かけてきました。

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スタックスは、エルビスがレコーディングをしたことでも有名です。エルビスが亡くなって36年になりますが、今年、1973年に行われたエルビスのスタックスでの録音の復刻版が発売され、レコーディングミュージシャン(ベース演奏)のノーバート・パットナム(Norbert Putnam)さんを招いてのイベントがありました。


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会場は、エルビスファンでぎっしり。私は立ち見席で参加させてもらいました。
現在は、テネシー州ナッシュビルで音楽プロデューサーとして活躍するノーバートさんはレコーディングの様子を楽しそうに話してくれました。
緊張して参加したレコーディングセッションだったらしいのですが、エルビスが気さくでとても楽しかったのだとか。ニコニコ楽しそうに思い出を話していました。

ノーバートさんがCDにサインしてくださいました。(上の写真)


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当時のエルビスが来ていた衣装も陳列されていました。
 




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レコーディングスタジオは当時の建物を再現しています。
エルビスが73年の7月と12月の2回レコーディングしたときのスタジオの様子は今も博物館で見る事ができます。


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スタックスレコードは、1975年になくなり、建物も壊されてしまいました。
長いこと荒れ地となっていたらしいですが、1989年に現在の博物館が建てられました。
現存する当時のものは、玄関先にあるこのタイルの看板のみです。 

イベントのあと、ノーバートさんはファンと気軽にお話しし、サイン、写真に快く応えていらっしゃったので私もお話しさせてもらいました。来年にはスタックスミュージックアカデミーに来て生徒たちにお話ししてくださる計画があることを聞いてうれしくなりました。

アメリカの音楽関係の方たちは有名人といえ気さくで親切な人が多いですね。
今回も、すてきな人となりを近くでみることができ、すてきな経験をさせていただきました。 

Stax Museum of American Soul
  • 住所: 926 E McLemore Ave, Memphis, TN 38126
    電話:(901) 942-7685
    営業時間:
     
    月曜日13時00分~17時00分
    火曜日10時00分~17時00分
    水曜日10時00分~17時00分
    木曜日10時00分~17時00分
    金曜日10時00分~17時00分
    土曜日10時00分~17時00分
    日曜日13時00分~17時00分

  • Backermann's Bakery ーキリスト教メノナイト派のパン屋さん

    メンフィスから高速64号線を東に約1時間ほど車で行くと
    ホワイトビルという小さな町にベッカーマンズベーカリー&チーズショップがあります。
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    すっかり手作りとは縁遠くなってしまった先進国アメリカのオアシスのようなパン屋さんです。


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    キリスト教メノナイト派のYodar一家が昔ながらの製造法でパンを作って販売。チーズも昔ながらの方法でつくる手作りのものです。
    写真は、ヨーダー家のおばさんが昔ながらのドレスを着て帽子をかぶって作業している様子です。


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    家族経営なので、一家の子供たちはみな学校が終われば親の仕事を手伝うそうで、6人の子供たちが和気あいあいと働いていました。(1人は赤ちゃんでしたが)
    写真にうつっていませんが、女の子たちはやはりオランダ風のレースの帽子をかぶっていました。

    メノナイト派は、オランダ、フリースランドのMenno Simons(15世紀)の教えを伝えるキリスト教一派なので、21世紀の今でもオランダの当時の服を着ている人も多いようです。男性は皆現代風の格好をしていますが、女性はロングドレスにレースの帽子です。


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    棚にならぶ焼きたてのパン。
    ライ麦パンや、穀物がいろいろ入ったパンなど、ちょっとなつかしいオランダやドイツのパンにも似ています。
    でも、オランダ在住経験のある私には、やはりアメリカ的な味がしました。

    保存料を使っていないので、このパンは早めに食べないいけません。
    保存料たっぷりのパンがほとんどの土地柄ゆえうれしいことです。

    お店の雰囲気が昔のアメリカ風でおもしろく、ドライブの途中でたちよるとサンドイッチをその場でつくってもらって食べることもできます。ゆっくりすわって食べる場所もあります。
    ハムやチーズも昔ながらの工法でつくっているのでちょっとほっとする味です。

    テネシー州のような食文化があまりない所に住むと、日本人もメノナイト派の人たちのようにパンまで手作りの人が多いですが、たまにはこういうパンもいいですね。

  • Backermann's Bakery & Cheese
    地図 
  • 住所: 260 U.S. 64, Whiteville, TN 38075
    電話:(731) 254-8473




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